目指せ!コミュニケーション上手③上司や先輩…目上の方とのコミュニケーション
さまざまな場面で、円滑なコミュニケーションの参考にしていただきたい本シリーズ。
第3回目の今回は、上司や先輩など「目上の方とのコミュニケーション」についてお届けします。
「目上の方」とはどんな人?
目上の方とは、社内において上司や先輩など、自分より上のポジションや社歴の人を指します。
自分の直属の上司はもちろん、別部署のマネージャーなどポジションが上の人、もしくは同じポジションでも自分より先に入社した人など、これらの方は全て「目上の方」に該当します。
また、社外の方は仮に自分より若い・社歴が浅い方であっても、目上の方と同じように、自分をへりくだって接するのが適切ですが、社外の方とのコミュニケーションは、まず身近な社内メンバーとのコミュニケーションができるようになってからでOKです。
上司とのコミュニケーションは、報連相を意識!
上司とのコミュニケーションでまず大切なのは、昔から言われている「報連相(ほうれんそう)」です。古くさい言葉に感じるかもしれませんが、今でも新入社員研修などで繰り返し使われる大切なキーワードです。
・報…報告
・連…連絡
・相…相談
報告、連絡、相談の最初の文字を取って「報連相」と呼ばれます。
まずはじめに「報告」は、覚えておきたい一番スタンダードなもの。
問題発生時はもちろんですが、特に変化がなくても進捗(物事の進み具合)を随時報告することで、状況把握に役立ててもらえます。
次に「連絡」。勤怠やスケジュールの変更など、ただ「連絡する」だけでなく、「なるべく早めに連絡する」、スピード感を心がけましょう。
そして「相談」。新入社員のうちは、自分だけの判断で決められない場面が多々あります。
社内での意思決定はともかく、じきに社外の方との商談の対応をする場面も出てきます。
こうした外部との折衝…コスト(新しいツールやシステムの導入の提案を受けた時など)が発生する場面は特に慎重になり、上司に相談しましょう。
意思決定の即決を迫られるような場面であっても、「一度持ち帰らせてください」と申し出て、社内で検討する癖をつけるのが良いです。
上司という言葉は、少しこわいイメージがありますが、決してみなさんの上司にあたる方がみんなそうとは限りません。
もちろん上司はみんなのリーダーでもありますので、時には厳しい言葉やフィードバックもあるかもしれません。
ですがそれはあなたが憎いとか、悪意があるなどから来るものではなく、組織やあなたをもっと成長させるための叱咤激励である場合がほとんどです。
最初から耳を塞いでしまうのではなく、素直に聞き入れるマインドを持ちましょう。
先輩とのコミュニケーション、敬語や挨拶はしっかり!
先輩は、上司とはまた違った距離感で接する必要があります。
上司と違い、そこまでかしこまらなくてもOKですが、逆にフランクになりすぎるのもNGです。
最近は風通しの良い社風の企業も多く、先輩たちも基本的には親切にしてくれるでしょう。
しかし、先輩にはきちんと敬意を払い、お礼や謝辞などはしっかり言葉にして伝える必要があります。
「親しき仲にも礼儀あり」という昔のことわざがありますが、この言葉を頭に常に入れておきましょう。
仮に先輩がムードメーカーで、みんなの「いじられ役」的な人柄だったとしても、自分の目上の方。
他の人と一緒になって先輩を笑いの的にするのは、決して褒められることではありません。
ただ、先輩と親しくできるのは素晴らしいこと。
社風にもよりますが、もし先輩から「もっと力を抜いていいよ」と言われたら、少しずつ距離を縮めていくのもいいでしょう。
例えば先輩をランチに誘ってみたり、休憩時間に少し個人的な話をしてみたりというのも立派なコミュニケーションです。
ただ、公私共にいきなりヘビーな相談事などは、話題として避けた方が良いです。
相談された先輩も困ってしまうでしょうし、なんとかしてあげようと悪気なく誰かに相談し、いつの間にか広まってしまうという可能性もないわけではありません。
プライベートはともかく、仕事の少し重ためな相談事は直属の上司に時間を取ってもらい、然るべきタイミングと場所(会議室など、機密が保たれる場所)できちんとしたほうがよいでしょう。
人とのコミュニケーションは難しいけど、自信を持って
人とのコミュニケーション、とりわけ目上の方とのコミュニケーションでは、相手の顔色を伺ってしまうという悩みをしばしば耳にします。
「上司の機嫌が悪いのではないか」
「自分が怒らせてしまったのではないか」
このようなモヤモヤを感じた時には、すでに悩んでも答えの出ない堂々巡りに陥ってしまっています。
相手の感情は相手にしか分かりませんし、思い過ごしの可能性もあります。
まずは自分の仕事に集中しましょう。
ここで萎縮してしまうとコミュニケーション・「報連相」不足に、そして結果的に仕事のミスに繋がってしまう場合があります。
「コミュニケーションの空白」を作らないためにも、自分がミスや迷惑をかけた心当たりがないなら、堂々と接したほうが気持ちよく仕事ができるものです。
上司・先輩であっても、一人の人間という意味では同じフィールドに立つ存在として接することを心がけてみましょう。
また、これを読んでいるあなたがもし「誰かの上司(先輩)」だとしたら、自分の個人的な感情を仕事に持ち込まないように、若手が萎縮しない環境づくりをしてあげてください。
部下(後輩)は思った以上に、あなたのことを見ています。また、彼らがミスや失敗をした時は感情任せに怒ったり貶したりせず、ダメな箇所について的確にフィードバックしましょう。
何が良くて、何がNGだったのか、あなたが指導をしないと今後また同じミスをしてしまうかもしれません。
お互いのため、そして組織のために、きちんと指導をしてください。
上司から部下、先輩から後輩。
その逆も、コミュニケーションはいつもスムーズにいくとは限りません。
人間は時に、感情でコミュニケーションの質が左右されてしまうこともあります。
ただ、「喜怒哀楽」という言葉があるように、人間にとって感情の発生はごく自然なことです。
ですから、他人の感情に敏感になり過ぎて、仕事が疎かにならないようにしましょう。
臆病になったり卑屈な気持ちを持っていると、それだけで対等にコミュニケーションをとるのが難しくなり、孤立してしまう恐れがあります。
まずは自分の使命・仕事に集中し、変におびえたりせず、堂々と自分ができることに全力で取り組みましょう。
それが周囲の信頼を得るという意味でも、円滑なコミュニケーションの一番の近道かもしれません。