【質問の仕方】質問と答えが噛み合わない…どうすればいい?

晴れて志望企業に入社したAさん。社内は雰囲気も良く、仕事も楽しく、心から転職成功を噛み締めていました。

しかし…不明点を質問したり何かを尋ねても、先輩たちからはなかなか的を得た答えが返ってきません。「そんなことを聞きたいんじゃないのに…」という思いが募るばかり。そのうちAさんは「みんな、わざと自分に本当のことを教えないようにしているんだ」とコミュニケーションがうまく取れないことがストレスになってしまい、また転職を考えるようになってしまいました。

一体なぜ、Aさんはいつも「聞きたいこと」を教えてもらえないのでしょうか?

★質問と答えが噛み合わない…

Aさんは入社直後の研修中、不明点を先輩に質問しました。

「今の話って、どういう意味ですか?」

先輩はもう一度丁寧に最初から話しますが、Aさんが聞きたかったのは実はその一部分。最初から同じ話を繰り返ししてもらいましたが、結局分からずそのままにしてしまいました。

さて、この内容の根本的な問題はどこにあるでしょうか。答えは、Aさんの『質問の仕方』にあります。

Aさんは他の先輩や上司にも、何かを尋ねるとき同じような質問をしていました。例えば、会議の前。

「15時からの会議には、何が必要ですか?」

先輩は「随分ざっくりした質問だな」と思いながらも、「筆記用具と、パソコンがあれば大丈夫」と答えました。しかし、Aさんが確認したかったのは、資料のデータのどの部分を用意していけばいいかどうかの部分でした。

また別の日、上司に対してAさんは…

「今、手が空いたのですが、何かできることはありますか?」

積極的な申し出を嬉しく思う反面、入社したばかりのAさんができることは限られているため、上司は少し迷ってしまいました。

Aさんは、頭の中で色々なことを考えていますが、それをうまく質問することができていませんでした。これが、コミュニケーションのミスマッチが起こるポイントの一つです。

★正しい質問の仕方とは?

では、Aさんはどのように質問をすればよかったのでしょうか。

質問には、大きく分けて2つあります。『オープンクエスチョン』と、『クローズクエスチョン』です。オープンクエスチョンとは、答えの幅が広く回答の自由度が高い質問、反対にクローズクエスチョンは答えが限定された(もしくは、はい/いいえで回答できる)質問です。

これまでのやりとりを見ると、Aさんが常に周囲の人にオープンクエスチョンで物事を質問していることがわかります。

「何をしたらいいですか?」
「何を用意すればいいですか?」
「今の話の意味を教えてください」

これらは全て、典型的なオープンクエスチョンです。

ビジネスシーンでは特に、オープンクエスチョンだと行き違いが起こりやすいため、できるだけクローズクエスチョンに近い質問の仕方をするのがベストです。例えば…

「今何をしたらいいですか?」
⇨「今、●●の作業をできるくらいの時間が確保できたのですが、着手して良いでしょうか?」

「会議では何を用意すればいいですか?」
⇨「会議には、資料にあるグラフ①のデータを用意すれば良いでしょうか?」

「今の話の意味を教えてください」
⇨「今のお話の、●●の部分は理解できたのですが、▲▲の部分をもう一度伺っても良いでしょうか」

このようにAさんは、実際に引き出した答えよりもっとピンポイントな部分や詳しい内容を確認したかったにも関わらず、質問の仕方を誤っていたために、意図する回答が得られませんでした。

人に質問をするときは「大まかな質問」ではなく、きちんと必要な内容を伝えることが大切です。

★どこが不明点なのかを自分で理解しよう、それを説明できるようにしよう

「大まかな質問」が、ビジネスシーンではあまり良くない場合が多いというのはおわかりいただけたでしょうか。ではなぜ、このようなざっくりした「大まかな質問」が生まれてしまうのでしょう。

質問したい内容や自分の状態は、自分で把握できていますか?それができていない場合、質問そのものがどこにフォーカスして良いかぼやけてしまいます。

「今何をしたらいいですか?」
⇨「今、手が空いている/難しい仕事はまだできないが、●●ならできる」

「会議では何を用意すればいいですか?」
⇨「会議のために準備している/資料のデータのうちどれを引用していいか確認したい」

「今の話の意味を教えてください」
⇨「話の80%は理解できた/しかし▲▲の部分が引っかかって全体像が見えてこない」

というように、まずは頭の中で、『自分の状態』『確認したいこと』を整理します。よく分からないと相手に丸投げするような質問では、聞かれた相手もどう答えて良いか迷ってしまいます。

相手のことを考えて行動するのは、コミュニケーションの基本です。行動だけでなく、言葉を交わす時もそれは同じ。質問は、相手が答えやすいようにということを意識してみましょう。

★まとめ

質問の仕方に正しいテンプレートは存在しませんが、型はあります。今の自分の状況を正確に捉えて簡潔に伝え、その上で質問をするとより相手に伝わりやすいでしょう。また、同じ内容の質問でも、いく通りもの質問の仕方があります。ご自身で口に出したり、書き起こすなどして、相手に伝わるかどうかを確認してみるのも良いですね。

このように、声に出したり書いたりすることを『アウトプット』と呼ぶことがあります。質問は、コミュニケーションを伴うアウトプットの一つ。自己理解を深め、相手に状況を伝える練習をしてみましょう。

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